こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
借金の返済を2ヶ月以上滞納した場合や債務整理の手続きを取った場合には、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆるブラックリストに載った状態になります。
このブラックリストに載ってしまうと、しばらくの期間は新たにローンやクレジットカードの利用ができなくなりますが、実は新たに賃貸物件を契約する際も問題になることがあります。
今回の記事では、ブラックリストに載った場合に新たに賃貸契約するケースでの注意点や対処法について司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
それでは、ブラックリストと賃貸契約の関係について詳しく解説をいたしますので、ぜひ最後までお読みください!
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ブラックリストに載ってしまったことで、引っ越しの際に新たに賃貸物件に申し込んだけど、その審査に落ちてしまったという方がいらっしゃいます。
しかし、実際にはいくつかの対処法がありますので、今回の記事では、ブラックリストに載った場合に新たに賃貸契約するケースでの注意点や対処法について司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
ブラックリストに載っていても賃貸物件に引っ越しは可能です!
ブラックリストに載っている状態では新たな賃貸物件の審査に通りにくい可能性はありますが、まったく賃貸契約の審査に通らない訳ではありません。
今回お話をしているブラックリストですが、一般的な信用情報機関に事故情報が登録されるブラックリスト以外にも「賃貸業界のブラックリスト」が存在します。
信用情報機関の種類と取り扱い業者
通称 | 正式名称 | 主な対象業者 |
CIC | (株)シー・アイ・シー | クレジット会社・消費者金融など |
JICC | (株)日本信用情報機関 | 消費者金融・銀行など |
KSC | 全国銀行個人情報信用情報センター | 銀行・信用金庫など |
金融業界は「CIC」「JICC」「KSC」の3つの信用情報機関があり、共通して延滞などの事故情報を閲覧することが可能です。例を挙げれば、CICに加入しているクレジットカード会社で返済を延滞した場合はJICCとKSCに加入している金融機関にも延滞情報が分かるということです。ですから、
クレジットカードを作成で審査に落ちしてしまった場合に、別会社でローンの申し込みをしても同じように審査に通らないのはこういった情報が共有されているという理由からになります。
賃貸業界のブラックリスト
前述した信用情報機関は貸金業者が加盟する機関なので、家賃の保証会社でも信販系の保証会社も加盟していることがあります。もしブラックリストに載っている方が新しく借りる賃貸物件の保証会社が信販系の場合は審査に通らない可能性があります。ですから、ブラックリストに載っている方が新たに賃貸物件を契約する場合は信販系ではない家賃保証会社の物件にする必要があります。
ここまで解説してきた一般的な信用情報機関とは別に賃貸業界には「LICC」(全国賃貸保証業協会)という、家賃の滞納が発生したため家賃を代わりに支払いしたという賃貸業界のブラックリストが存在します。
しかし、LICCにはすべての賃貸保証会社が加盟しているのではなく、ごく一部の保証会社のみになります。LICCに加盟している保証会社に家賃を代わりに支払ってもらったことがある場合に、新たに借りる物件の家賃保証会社もLICCの加盟会社の場合には審査に通らない可能性が高くなります。
ブラックリストに載っていても引っ越しがしやすい賃貸物件を紹介します!
ここでは、ブラックリストに載っていても引っ越しがしやすい賃貸物件をご紹介いたします。
保証会社が独立系の会社である物件
引っ越しがしやすい賃貸物件の1つ目は、保証会社が独立系の会社である物件を選びましょう。独立系とは、前述したLICCに加盟していないだけでなく信販系の家賃保証会社でないことも条件になります。独立系の家賃保証会社は信販系の家賃保証会社は当たり前ですが、LICCに加盟している物件よりも審査が厳しくない傾向にありますので入居審査が比較的通りやすくなります。
家賃が比較的に安い物件
引っ越しがしやすい賃貸物件の2つ目は、家賃が比較的に安い賃貸物件を選びましょう。入居の審査は、申込者の現状の年収や職業などの情報を確認した上で審査を通すかを判断しますので、今の年収で問題なく家賃を支払えそうであれば審査を通してくれる可能性が高くなります。
築年数が古い物件
引っ越しがしやすい賃貸物件の3つ目は、築年数が古い賃貸物件を選びましょう。築年数が古い物件は、一般的には人気がない物件になりますので、インターネットで物件探しをする際の絞り込み検索でも築年数を10年以内に設定する方が多くいらっしゃいます。大家さんとしてもずっと空家にしてしまうくらいなら、ブラックリストに載った方でも支払い能力があれば入居させた方がいいという考えの方も多くいらっしゃいます。
駅から徒歩10分以上の物件
引っ越しがしやすい賃貸物件の4つ目は、駅からの徒歩10分以上の賃貸物件を選びましょう。駅からの距離は築年数と同じように入居者が重要視する部分でもありますので、よほど他の部分が好条件でない限りは、駅から離れている物件は避けられやすい傾向にあります。ですから、築年数が古い物件と併せて駅からの徒歩10分以上の物件も一緒に狙っていくのをお勧めいたします。
クレジットカードの作成が不要な物件
引っ越しがしやすい賃貸物件の5つ目は、クレジットカードの作成が不要な賃貸物件を選びましょう。入居の審査で、クレジットカードの契約やクレジットカードからの家賃を引き落とすことを必須としている物件もあります。当たり前ですが、ブラックリストに載っていると、クレジットカードの審査に落ちてしまい、クレジットカードが作成できないため賃貸の契約ができなくなります。
賃貸物件の審査に落ちてしまった時の対処法を解説します。
今まで解説していた条件であれば大丈夫だと思いますが、万が一賃貸物件の審査に落ちてしまった場合は、以下の対処法で再チャレンジを検討いたしましょう。
別の保証会社の審査を受ける
保証会社の審査に落ちてしまった場合には「信販系」と呼ばれるクレジットカード会社関連の保証会社が付いている物件を選んでいた可能性が高くなります。信販系の保証会社は審査が厳しく、ブラックリストに載っていると審査に通らない可能性がかなり高くなります。もし、保証会社が信販系だった場合には、独立系や信販系以外の保証会社が付いている賃貸物件を探しましょう。
親族に代理契約してもらう
ご自身の名義で審査に落ちてしまった場合は、親族の名義で代理契約をしてもらうという方法があります。大家さんに相談する必要はありますが、親名義であれば貸してもいいという場合もあり審査に通るかもしれません。
連帯保証人を立てる
他にも、連帯保証人を立てる方法もあり、入居者と連帯保証人の収入が、大家さんの審査基準を満たせば入居が可能になるケースがあります。しかし、最近では連帯保証人のみで借りられる別件はかなり少なく、ほとんどの賃貸物件が保証会社の利用を必須としていますので、難しいかもしれませんが仲介の不動産会社に確認してみましょう!
保証会社不要の物件を探す
独立系の保証会社の審査にも落ちてしまった場合は、保証会社が不要な物件を選びましょう。保証会社が不要な物件は、過去の事故情報や延滞情報が大家さんに伝わらないため賃貸契約の審査が通りやすくなります。ただし、こうした物件は何か大きなデメリットがあることが多いので、事前によく調べることをお勧めいたします。
引っ越しをする時は賃貸の仲介会社にブラックリスト入りを話しておこう
賃貸の仲介している不動産会社に物件を探してもらう際に、ご自身がブラックリストに載っていることを伝えておくと審査に通りやすい物件を紹介してくれる可能性が高くなります。
ブラックリストに載っているのが恥ずかしいと思うかもしれませんが、どのみち審査の段階でバレてしまうので最初に正直に伝えた方が物件選びがスムーズに運びますし時間の節約にもなります。
配偶者や同居人がブラックリストに載っている場合の賃貸物件の契約は?
配偶者や同居人がブラックリストに載っている場合でも、ご自身の賃貸物件の契約にはまったく影響がありません。ですから、配偶者や同居人がブラックリストに載っていても賃貸契約をご自身にすれば「信販系」の物件でも審査に通過する可能性が高くなります。もちろん、ご自身に安定した収入がある必要がありますが、クリアしている場合は問題なく審査に通るでしょう。
ブラックリストの登録が消される期間は5年から10年です!
ここまでの解説でも、ブラックリストに載ってしまうといろいろと面倒なことになると思われた方も多いと思います。ここでは、ブラックリストに載ってから信用情報が回復するまでにかかる期間を以下の表で詳細を載せていますので、ぜひ参考にしてください。
種類 | 起算日 | CIC | JICC | KSC |
延滞 | 延滞解消日 | 5年 | 5年 | 5年 |
任意整理 | 和解成立日 | 5年 | 5年 | 5年 |
個人再生 | 手続き開始決定日 | 5年 | 5年 | 10年 |
自己破産 | 免責許可確定日 | 5年 | 5年 | 10年 |
上記の表にかかれた期間を経過すると、信用情報機関の記録から事故情報は削除されますので、債務整理前の状態に戻るために問題なくクレジットカードやローンの利用が可能になります。また、賃貸物件の契約にも影響が出なくなります。
それでは、ここまでで今回のブログ「ブラックリストでも賃貸物件の契約は可能?審査に通りやすい物件とは?」というテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。