自己破産で車を残す方法はある？また、自動車の名義変更はできる？

こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆している司法書士の久我山左近です。

今回のブログでは、自己破産しても自動車を残せるケースについて、自動車の名義変更が自己破産に及ぼす影響についても司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
今回の記事を読むと、自己破産と自動車の関係に関する正しい知識が身に付きますので、ぜひ最後までお読みください！

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自己破産でもご自身の自動車が残せるケースはあります。詳しく解説！

自己破産すると、ご自身の借金を返済する必要がなくなる代わりに、ご自身が所有している財産の一部が処分の対象になります。
もちろん、ご自身が所有している自動車は高額な場合が多いので、自己破産において処分の対象になる可能性があります。

自己破産において自動車を残せるケースを解説します。

自己破産において、原則としてご自身の自動車は処分の対象になります。
自己破産によって借金の返済義務がなくなる代わりに、申立人の高額な財産は各債権者に分配するために没収されてしまうからです。

ただし、自動車ローンをすでに完済していて、かつ評価額が２０万円以下の自動車の場合は、自己破産をしてもお手元に残すことが可能です。
購入当時に中古だった自動車や、長年使っていて価値が下がっている場合には、自己破産後もお手元に残せる可能性が高くなります。
自動車が没収されるかどうかは、その自動車の価値によりますが、原則として登録から６年以上経過している自動車は残せる可能性が高くなります。
ただし、自動車ローンを完済していない車は、評価額に関わらず自己破産によってローン会社に引き揚げられてしまいます。

もう一つ、自動車がないと自己破産後の生活や仕事に著しく支障をきたす場合には、自動車を手元に残せる可能性があります。
「脚の障がいがあり、自動車がないと日常生活を送れない。」「仕事が運送業で、自動車がないと今後の生活ができない。」などの事情があれば、２０万円を超える価値のある車であってもお手元に残せる場合があります。
なお、田舎に住んでいるから通勤で自動車が必要といったケースでは、基本的に自動車を残すことは認められませんので、その点は注意が必要になります。

自己破産後も自動車を残す方法を解説します。

自己破産を申し立てた時点で、自動車ローンが残っている場合は、所有権留保によって自動車はローン会社に引き揚げられてしまいます。
ただし、家族や親戚などに残りの自動車ローンを支払ってもらえば、自己破産後も自動車をお手元に残せる可能性があります。
ただし、自動車ローンを組んで購入した自動車であれば、時価が２０万円を超えるケースがほとんどでありますので、第三者弁済を行うべきかどうかは事前に専門家に相談して慎重に判断しなければなりません。

なお、どうしても自動車が手元に残らなくては困る方は、自己破産以外の債務整理を検討するのもひとつの選択肢になります。
任意整理の手続きであれば、手続きをする債務を選択することが出来ますので、自動車ローンを除いて、それ以外の債務を整理することが可能です。
ただし、任意整理の手続きは、元金に関しては返済していくことが必要になり、自己破産のように借金自体がなくなる訳ではありませんので、その点を考慮しながら手続きを検討していただければと思います。

自動車を残したい時に避けるべきNG行為を解説

自動車を手元に残したまま自己破産したいという理由から、次のような行為は絶対に避けなければなりません。
ここから解説するNG行為は、そのまま自己破産の手続き自体が認められなくなる可能性もありますので、充分に注意してください。

自己破産前に自動車の名義を変更する。

自己破産によって処分されるのは申立人ご自身名義の財産のみになりますので、自己破産前に家族の名義に変更すれば没収されずに済むのでは？と考える方もいるかもしれませんが、それはNG行為になります。
自己破産において、申立人の財産や借金については裁判所の担当者によってしっかりと調査されます。
ご自身が所有する財産の名義変更なども過去に遡って調査するため、財産を隠すための名義変更は必ずバレてしまい、意図的に財産を隠したとして自己破産手続きが認められなくなる可能性が高くなります。

自動車ローンのみを優先して返済する。

自動車ローンを完済している自動車は、評価額が２０万円以下であればお手元に残すことが可能です。
ただし、自己破産手続き前に自動車ローンのみを優先して返済するのは、自己破産における禁止行為である偏頗弁済（へんぱべんさい）にあたります。
自己破産では、すべての債権者を平等に扱わなくてはいけないと決められていますので、申立人の都合によって一部の債権者のみに借金を返すのは債権者平等の原則に反するため、免責不許可事由にあたり、自己破産自体が認められなくなる可能性が高くなります。

自動車ローンを隠して申告する。

自己破産では、申し立てる裁判所に対して、ご自身の借金や所有する財産について、正しく申告する必要があります。
また、自己破産の手続きでは、裁判所の担当者によって借金や財産に関する申告に虚偽の内容がないかどうか、さまざまな必要書類をしっかりと調査されるため、自動車ローンを隠しても必ずバレてしまいます。
また、虚偽の申告は免責不許可事由にあたるため、自己破産自体が認められなくなる可能性が高くなります。

それでは、今回のブログ「自己破産で車を残す方法はある？また、自動車の名義変更はできる？」というテーマについての解説は以上となります。

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