こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
借金の返済が厳しくなってきたり、現実的に借金を返済し続けているのに借金が減らない現実に目を向けると、やっぱり債務整理の手続きでご自身の借金問題を解決することを検討される方も多いと思います。
しかし、債務整理の手続きをしたときのデメリットが気になる方も多くいらっしゃると思います。
今回のブログでは、債務整理のデメリットについて、またデメリットへの対処法やよくある誤解についても借金問題に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
今回の記事を読むと、債務整理手続きのデメリットについての正しい知識が身に付きますので、ぜひ最後までお読みください！
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借金返済に厳しい方が検討する債務整理のデメリットについて解説します！
債務整理の手続きは、月々の返済額を減らしたりなくしたりすることができる方法です。
しかし、債務整理のデメリットが気になってなかなか手続きに踏み切れない方もいるのではないでしょうか？
債務整理の主なデメリットは、いわゆる信用情報機関に事故情報が登録されて、しばらくの期間はローンやクレジットの利用が制限されることです。
また、他にも債務整理の手続きの中でも自己破産では自動車やマイホームといった財産を手放す必要があるケースも考えられます。
今回のブログでは、債務整理のデメリットについて、またデメリットへの対処法やよくある誤解についても借金問題に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
債務整理の手続きのそれぞれのデメリットとは？
債務整理には大きく分けて３種類の手続きがあり、任意整理、個人再生、自己破産の手続きになります。まず、すべての債務整理に共通したデメリットの解説やそれぞれの手続きの特徴、そしてそれぞれの手続きのデメリットについて解説いたします。
債務整理の共通するデメリットとは？
債務整理の手続きに共通したデメリットとしては、手続きを取ると事故情報として信用情報機関に登録される「いわゆるブラックリストに掲載される」という点になります。信用情報機関に事故情報が登録されると、新たな借り入れやクレジットカードの作成などができなくなります。
ただし、実を言うと借金の滞納を２ヶ月してしまうと債務整理と同じように信用情報機関に事故情報が登録されます。また、基本的には現在の借入残高もすべて把握されていますので、このまま返したり借りたりを続けていて最終的に滞納してしまうよりは、債務整理で借金を解決してしまった方がご自身の未来を考えると、遥かに健全な方法だと考えられます。
そもそも債務整理には３種類あります。
債務整理の手続きには以下の３種類があります。
- 任意整理
代理人の弁護士や司法書士が貸金業者と和解契約を締結して、将来利息のカットや返済期間の延長などで月々の返済額を減額して返済の負担を軽くする手続きです。 - 個人再生
ご自身の借金の総額を約５分の１と大幅に減額することを裁判所に認めてもらい、その減額した借金を３年程度の期間で返済する手続きです。 - 自己破産
ご自身が所有する財産を処分する代わりに、借金のすべての返済義務を免除してもらうことを裁判所に認めてもらう手続きです。
それぞれの債務整理のデメリット
任意整理、個人再生、自己破産には、ブラックリストに掲載されるという共通のデメリット以外にも以下のようなデメリットがあります。
任意整理のデメリット
- 任意整理は裁判所を通さない手続きで交渉次第なので、必ずしもいい条件で和解できるとは限りませんので、減額幅や返済期間などが希望通りにはいかない可能性があります。
- 任意整理は原則として将来利息のカットや遅延損害金のカットに限られますので、借金の総額が大きい方は実際に解決するのが難しいケースもあります。
個人再生のデメリット
- 個人再生は全ての借金が対象になりますので、自動車ローンがあれば、自動車はローン会社に引き揚げられます。
- 保証人が付いている借金も手続きの対象になるために保証人に迷惑がかかります。
- 裁判所を通す手続きなので、必要書類などが多く複雑で、手続き費用も高額になり解決までに期間もかかります。
- 裁判所を通す手続きなので、同居している家族に秘密にするのが難しくなります。
自己破産のデメリット
- ご自身が所有している換価すると２０万円以上の財産はすべて処分の対象になります。
- 保証人が付いている借金も手続きの対象になるために保証人に迷惑がかかります。
- 保険外交員や警備員などの特定の仕事の方は自己破産の手続き中はその仕事ができなくなります。
- 裁判所を通す手続きなので、必要書類などが多く複雑で、手続き費用も高額になり解決までに期間もかかります。
- 裁判所を通す手続きなので、同居している家族に秘密にするのが難しくなります。
- 自己破産したことが官報に掲載されます。破産者マップなどに掲載される可能性があります。
債務整理のデメリットの対処法と債務整理の誤解について解説します。
債務整理のデメリットについては、その対処法によって生活への影響を最小限に抑えられます。どのように対処すると債務整理のリスクを避けることができるのか特に気になるデメリットについて解説いたします。
クレジットカードの代わりにデビットカードを利用しよう。
信用情報機関に事故情報が登録されると、クレジットカードが使えなくなりますので生活をしていても少し不便を感じることがあるかもしれません。こんな時はデビッドカードが便利です。デビッドカードやプリペイド式クレジットカードは審査に関係なく作成できますので、債務整理後でも問題なく作成できます。
デビッドカードでもVISAなどが付いているカードであればクレジットカードの代わりに利用することが出来ますので、ほとんどのケースではデビッドカードを利用して乗り切ることができます。
また、最近では高速道路で利用するETCカードもクレジットカード以外のETCパーソナルカードで代用することが出来ますので、ほとんどのケースでクレジットカードを利用しなくても大丈夫な場合が増えています。
同居している家族にバレたくなければ任意整理で解決しよう。
どの債務整理の手続きを取っても会社や友人に債務整理することがバレることはありません。ただし、同居している家族にバレることが心配な場合は、任意整理で解決することをお勧めいたします。
個人再生と自己破産は裁判所を通す手続きであり申し立てに多くの書類が必要になります。ですから、その書類を揃えるために同居している家族の協力が必要なケースがあり、その関係で同居している家族に秘密にすることが難しくなります。
その点、任意整理では裁判所を通す手続きではなく特別な書類が必要になるわけではありませんので、会社や友人だけではなく、同居している家族に秘密にして手続きを進めることが可能です。
保証人に迷惑をかけたくない場合は任意整理で解決しよう。
保証人に迷惑をかけたくないときは、保証人が付いている借金を整理する対象から外すことが可能な任意整理で解決しよう。個人再生や自己破産ではすべての借金が対象になりますが、任意整理であれば保証人が付いている借金以外を選択して、それ以外の借金を整理することが可能です。
適切な手続きを選ぶことで自宅や自動車などの財産は手放さなくて済みます。
自己破産の場合は自宅を手放さなければなりませんが、借金を選択することができる任意整理と「住宅ローン特則」が利用できる個人再生であれば、ご自身のマイホームを手放す必要はありません。
自動車は自動車ローンを組んでいて個人再生や自己破産をするとローン会社に引き揚げられてしまいますが、任意整理の手続きで自動車ローンを整理の対象から外せば、自動車を使用し続けることができます。仕事のために自動車が必要な方や自動車がないと生活ができない場合は、任意整理を検討することをお勧めいたします。
債務整理の誤解について解説します。
以下のようなデメリットを心配する方もいますが、これらはすべて誤解になります。
- 戸籍や住民票に載る
- 会社を解雇される
- 年金が支給されなくなる
- 持っている財産をすべて失う
自己破産を含めて債務整理をしても、戸籍や住民票には掲載されません。また、自己破産を含めて債務整理を理由に会社を解雇されるのは不当解雇に当たりますし、原則として債務整理の手続きが会社にバレることはありません。
年金については差し押さえ禁止財産とされていますので、自己破産を含めて債務整理を行っても年金の支給額に変更はありません。
自己破産でも生活に必要な財産は残すことが出来ます。ですからパソコンやスマホなども手放す必要はありませんし、自己破産でも９９万円以下の現金は残すことが可能です。また、家族がご自身の保証人になっている場合を除いて家族には何の影響もありません。
ご自身の借金の返済が難しくなり放っておくと、遅延損害金が膨らみ返済しなければならない金額がどんどん増えてしまいます。また、裁判所から訴状が届いた後は、ご自身の給料が差し押さえられる可能性もあります。
こうしたリスクは、債務整理のデメリットよりも深刻になるケースの方が多くありますので、ご自身の借金問題を先送りして状況を悪化させないように早めに債務整理の手続きを進めることがベストな選択になります。
それでは、今回のブログ「債務整理のデメリットとは？その対処法とよくある誤解についても解説！」というテーマについての解説は以上となります。
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久我山左近それでは、司法書士の久我山左近でした。
