こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
自己破産とは、ご自身の所有する財産を処分する代わりに借金の返済義務をすべて免除することを裁判所から認めてもらう手続きになります。
そんな強力な借金解決の方法である自己破産にもいくつかのデメリットがあります。
しかし、インターネット上には自己破産に関するウソの情報が溢れていますので、今回の記事を読んでいただき自己破産に関する正しい知識を知っていただきたいと思います。
今回の記事では、自己破産の手続きを取ることのデメリットについて、また自己破産が向いていない人について司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
それでは、自己破産のデメリットについて詳しく解説をいたしますので、ぜひ最後までお読みください!
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自己破産は借金をゼロにできますが、いくつかのデメリットがあります!
自己破産の手続きでは、裁判所に認められれば、借金のすべての返済義務を免除してもらうことができますが、反面でいくつかのデメリットがあります。
自己破産のもっとも大きなデメリットは、ご自身が所有している自動車や自宅などの大切な財産を失うということです。
その他にもローンやクレジットカードの利用ができなくなること、一部の資格や職業が制限されるといったデメリットがあります。
いくつかのデメリットがある自己破産ですが、やはり借金がゼロになるという大きなメリットがありますので、借金の返済がどうしてもできない状況では、自己破産のデメリットを考えても自己破産でご自身の借金問題を解決すべき場合が多くあります。
今回の記事では、自己破産の手続きを取ることの本当のデメリットについて、また自己破産が向いていない人について司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
自己破産の本当のデメリットを解説します。
自己破産には、以下のようなデメリットがあります。
- 自宅や自動車などの価値ある財産は処分されます。
- しばらくの期間はローンやクレジットカードの利用が制限されます。
- 自動車ローンがあれば自動車はローン会社に引き揚げられます。
- 保証人が付いている借金があれば保証人に請求されます。
- 個人情報が官報に掲載されます。
- 手続き中は特定の資格や職業が制限されます。
- 手続き中は引っ越しや長期の旅行が制限されます。
- 手続き中は郵便物が管理されます。
自宅や自動車などの価値ある財産は処分されます。
自己破産では、すべての借金の返済義務を裁判所に免除してもらう代わりに、ご自身が所有している財産を処分して債権者に対しての返済に充てることになります。
自己破産の手続きでは、すべての財産が処分されるわけではありませんが、マイホームや自動車、99万円以上の現金などは処分されることになります。なお、処分の対象にならない財産を「自由財産」といいます。
以下のものが自己破産で処分の対象にならない自由財産になります。
- 自己破産の手続き開始後に取得した財産
- 法律で差押えが禁止されている財産
- 99万円以下の現金
- 裁判所が自由財産拡張を認めた財産
- 破産管財人が破産財団から放棄した財産
ちょっと難しい法律用語も出てきましたが、換金すると20万円以下の財産はご自身のお手元に残すことができます。また、家財道具や家電製品、スマホやパソコンなども基本的にはお手元に残すことが可能です。
自動車に関しては自動車ローンが残っていればローン会社に引き揚げられてしまいますが、ローンを完済している自動車で換金しても20万円以下あれば、お手元に残すことが可能です。
しばらくの期間はローンやクレジットカードの利用が制限されます。
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されますので、しばらくの期間はローンやクレジットの利用ができなくなります。いわゆる「ブラックリスト」に載るということになります。
信用情報機関の種類と取り扱い業者
通称 | 正式名称 | 主な対象業者 |
CIC | (株)シー・アイ・シー | クレジット会社・消費者金融など |
JICC | (株)日本信用情報機関 | 消費者金融・銀行など |
KSC | 全国銀行個人情報信用情報センター | 銀行・信用金庫など |
自己破産をして、ブラックリストに情報が登録されると約5年から10年程度は事故情報が残りますので、基本的にはその期間はローンやクレジットカードの利用ができなくなります。
ただし、そもそも自己破産手続きをする前に2ヶ月以上借金の返済を滞納していても同じようにブラックリストに事故情報が登録されます。また、返済を滞納していなくてもご自身がしている借金の総額についても把握されていますので、自己破産やその他の債務整理でご自身の借金自体を解決することが未来の安心な生活を確保するためにもベストな選択になります。
自動車ローンがあれば自動車はローン会社に引き揚げられます。
自己破産はすべての借金が対象になり、特定の借金を外して手続きをすることが許されませんので、仮に自動車ローンがある場合には、その自動車はローン会社に引き揚げれてしまいます。特別にタクシーやトラックなどで仕事に必要な場合にみ自己破産の手続きから外すことが可能な場合がありますが、通勤で必要だといった理由では難しいので、基本的に自己破産で自動車ローンがある場合には自動車をお手元に残すことはできません。
保証人が付いている借金があれば保証人に請求されます。
自動車ローンと同じように自己破産はすべての借金が対象になりますので、保証人が付いている借金があれば、その借金は保証人に対して請求が行くことになります。もし、保証人に対してどうしても迷惑をかけたくないのであれば「任意整理」で保証人が付いている借金を除いて、それ以外の借金を整理する必要があります。
個人情報が官報に掲載されます。
自己破産をすると、官報という政府が発行する機関紙に自己破産をした事実が掲載されます。ただし、官報は一般的な書店では購入することができませんので、官報から自己破産した事実が知られる可能性はほとんどありません!
ただし、最近では破産者マップといって自己破産した人の情報をGoogleマップと連動して掲載するといった違法サイトも出現していますので、可能性は低いですが運が悪ければそういったサイトから自己破産したことがバレてしまう可能性もあります。
手続き中は特定の資格や職業が制限されます。
自己破産の手続き中は、特定の資格や特定の職業の方はその仕事をすることができなくなります。
制限される資格や職業は「弁護士」「税理士」「司法書士」「行政書士」「公認会計士」などの特定の資格者や「警備員」「生命保険外交員」「貸金業」などの特定な職業の方は自己破産の手続き中はその仕事ができなくなってしまいますので、この自己破産の職業制限に該当する方は資格制限がない「個人再生」の手続きでご自身の借金問題を解決するのがベストな選択になります。
手続き中は引っ越しや長期の旅行が制限されます。
自己破産の手続きには処分の対象になる財産がない方の「同時廃止事件」と不動産などの財産を持っている方の「管財事件」があります。同時廃止事件は簡易で費用も低額になる手続きですが、管財事件になると期間も長く費用も高額で自己破産の手続き中に財産の処分が行われます。
ここからのデメリットは、自己破産の手続きが管財事件になった場合に限られますが、引っ越しや長期の旅行をする際に裁判所と管財人の許可が必要となります。まあ、長期の出張や家賃を安く抑えるための引っ越しであれば、問題なく裁判所に許可を出してもらえます。なお、自己破産の手続きが終了した後はこれらの制限はなくなります。
手続き中は郵便物が管理されます。
自己破産の手続きが管財事件になった場合には、破産管財人が選任されて、家族宛のものを除いてご自身の自宅に届く郵便物は破産管財人に転送されます。
自己破産の手続き中の郵送物には、クレジットカードの支払明細、保険の支払いや更新に関する通知、税金の支払いに関する通知などがありますので金銭の動きを確認する必要があるためです。転送されるのは郵便局から配送される郵送物のみで、宅配業者から届くような荷物は転送されません。 なお、自己破産の手続きが終了した後はこれらの制限はなくなります。
自己破産に関するインターネット上の間違った情報を解説します。
ここでは読者の皆様が誤解しないようにインターネット上の自己破産に関する間違った情報を解説します。
- 会社は自己破産を理由に解雇することはできません
(ただし、ご自身が言わなければ自己破産が会社に知られることはありません。) - 自己破産後は欲しいものは現金で購入できます。
- 戸籍や住民票に自己破産したことが記載されません
- 年金の受給は自己破産後も変わりません
- 選挙権にも影響はありません
- 生活保護の受給に自己破産は影響ありません
- 今住んでいる家に住み続けられます
自己破産が向いていない人を解説します。
ここまで解説してきたデメリットを考慮しても自己破産が向いていない人もいらっしゃいます。
マイホームや自動車など失いたくない財産がある
家族と一緒に住んでいるマイホームや仕事の通勤で利用している自動車など、失うと困る財産がある場合には自己破産は向いていません。また、生命保険を解約したくない方や株券やゴルフ会員権をお手元に残したい方も自己破産以外の
ご自身の借金問題を家族に知られたくない
事情があり、どうしてもご自身の借金を家族に知られたくない方もいらっしゃるでしょう。自己破産では同一世帯全員分の家計簿の作成など、同居している家族の協力が必要になりますので、同居している家族に知られずに自己破産の手続きを進めることはかなり難しい作業になります。自己破産をしても同居していなければ家族や会社にバレることはありませんが、どうしても借金問題を同居している家族に知られたくないのであれば、任意整理での解決がベストな選択になります。
他の債務整理でも解決が可能なケース
自己破産での解決は、債務整理の手続きの中でも1番リスクが大きく、複雑で手間や時間がかかる作業になります。ご自身に一定の収入があり、借金を減額したり利息をカットすれば返済できるのであれば、自己破産ではなく任意整理でご自身の借金問題を解決する方がベストな選択になります。
資格や職業の制限に該当している方
自己破産のデメリットでも解説いたしましたが資格や職業の制限に該当している方は仕事に影響が出てしまいます。保険外交員や宅建士の方は会社の中での仕事ができなくなってしまいますし、弁護士や税理士でご自身の事務所を経営していれば、事務所の営業ができなくなります。ですから自己破産の手続きで資格や職業の制限に該当する方は自己破産以外の個人再生でご自身の借金問題を解決するのがベストな選択になります。
それでは、ここまでで今回のブログ「自己破産のデメリットとは?自己破産が向いていない人について解説!」というテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。