こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
身内が亡くなり、突然「遺産分割協議をする」と告げられても、驚いて戸惑う人の方が多いのではないでしょうか。
法定相続人(相続人)が複数いる場合に相続財産を誰に引き継がせるのかは、相続人全員での話し合いが必要になりますが、遺産の分割をめぐり言い争いが勃発するケースも少なくありません。
こうしたトラブルを避けるためにも、あらかじめ遺産分割協議についての理解を深めておくことが大切です。
今回の記事では、遺産分割協議をする上での注意点について、さらには遺産分割協議書を作成する上でのポイントについても、相続に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
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遺産分割協議書を作成する上での注意点を久我山左近が詳しく解説!
今回の記事では、遺産分割協議とは何かから、作成する上での注意点まで分かりやすく説明いたします。
遺産分割協議とは?
遺産分割協議とは簡単にいうと、相続人たちが全員で相続財産の分配について話し合うことをいいます。
まず故人の遺産を引き継ぐ人が複数いる場合は、故人の遺産を相続人全員で共有している状態だと考えます。
もし、遺産をそのままの状態にしておくと、相続人の一人が勝手にそれを使い込むなど、トラブルに発展するリスクが高まります。
そこで、相続人たちが全員集まって分割協議を行い、具体的に遺産を誰にどのように分けるのかを決める必要があるというわけです。
遺産分割協議のルールについて
遺産分割協議をするにあたり、基本的なルールについて把握しておきましょう。
相続人全員が参加する必要があります
ここでは、相続人が誰なのかということが重要なポイントになります。
一般のケースで基本的な相続人となるのは、故人の配偶者と子供(養子や非嫡出子も含む)のことを指します。
そして、まず最初に押さえておくことは「配偶者」がいる場合は常に相続人となることです。
次に、子供や孫がいない場合は「両親や祖父母」が相続人になります。
さらに、子供や孫だけでなく両親や祖父母がいない場合は「兄弟姉妹」が相続人になります。
配偶者が常に相続人となるのとは逆に、子供がいなければ両親、子供と両親がいなければ兄弟姉妹になることもしっかりと押さえておきましょう!
遺産分割協議に期限はありません
遺産分割協議には、明確な期限はありません。
ただし、相続税の申告期間は10か月以内とありますし、相続登記の義務化も始まりますので、速やかに遺産分割協議を終わらせるとよいでしょう(申告期間を過ぎてしまうと、延滞税などのペナルティが課せられますし、相続登記をしないと罰則が課せられます。)
必要に応じて代理人を立てる
相続人が未成年の場合は、親が代理人として協議に参加します。
ただし、親も相続人という場合は、家庭裁判所において特別代理人(相続に関係のない親族など)を選ぶ必要があります。
相続人の中に認知症などで判断能力に問題がある人がいる場合も、特別代理人を選任する必要があります。
遺産分割協議の主な流れを解説します
遺産分割協議の主な流れは、以下のとおりです。
故人の遺言書がある場合、原則として遺産分割協議を行う必要はありません。ただし、遺言書に記載されている以外の財産がある場合は、遺産分割協議でどのように分けるかを決める必要があります。
故人の戸籍資料を取り寄せて、相続人を特定します。相続財産については、財産とともに負債の有無も調べます。調べる対象は、預金通帳や株券、固定資産税の通知書などです。
相続人たちとともに、遺産分割協議の日時を調整します。
相続人たちとともに、「誰がどの遺産をどのくらい引き継ぐか」について話し合い、それぞれの引き継ぎ分を決定します。
遺産分割協議が合意という結果で終わった場合は、遺産分割協議書を作成します(書き方の例はこちら)。
もし、話し合いがまとまらなかった場合は、家庭裁判所に遺産分割調停に進む可能性があることも考えた方がよいでしょう。
遺産分割協議の注意点
遺産分割協議における主な注意点は、以下の4つになります。
不公平な分割協議案には合意しない
「私はこれだけ受け取る権利がある」など、自分の解釈をもとに遺産分割を主張する相続人も少なくありません。
相手に圧倒されて不公平な分割協議案に合意しないためにも、分割協議案と「法定相続分」を照らし合わせてみましょう。
法定相続分とは、法律で定められている遺産の割合のことになります。
例えば、父親の遺産を引き継ぐ場合、母親と子供の法定相続分はそれぞれ2分の1になります。
・参照:『No.4132 相続人の範囲と法定相続分』
可分債権は分割協議の対象外
可分債権とは、他の相続人の合意を得なくても、法定相続分にそって取得できる債権のことです。
例えば、賃金債権や損害賠償請求権などが可分債権にあたります。
ちなみに、遺産には不可分債権(自動車など分割できないもの)があり、こちらは遺言書がない場合に限り遺産分割協議が必要になります。
相続放棄と遺産放棄は異なる
相続放棄とは、相続人が裁判所を通じて相続をしない旨を宣言することです。一方の遺産放棄は、単に自分が「遺産を放棄する」と決めただけで、法的な根拠はありません。分割協議をして遺産を放棄したとしても、相続人であることに変わりはなく、例えば後で故人の財産や負債が発見された場合は、それらを引き継ぐことになります。
分割協議をやり直す場合は贈与税がかかる
遺産分割協議は、やり直しが可能です。ただし、気をつけなければならないのは贈与税が発生する点になります。
やり直すことによって当たらな相続財産を引き継ぐことは、「贈与によって財産を得る」と見做されるからです。
贈与税は、相続税よりも高額になる傾向があるため、遺産分割協議のやり直しは慎重に検討いたしましょう。
遺産分割協議の注意点のまとめ
遺産分割協議とは何かについて説明しました。
遺産分割協議は、相続人同士で遺産を適切に分けるために必要な手続きです。
ただし、金銭的な事情が伴いますので、客観的に判断できず話がまとまらないことも珍しくありません。
話し合いが難航すると予想される場合は、弁護士や司法書士など専門家を立てることも、有効策の一つです。
遺産分割協議を円滑に進め、相続の問題をスムーズに終わらせましょう。
ここまでで、今回のブログ「遺産分割協議とは?遺産分割協議をする上での注意点を詳しく解説!」のテーマの解説は以上になります。
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相続登記義務化でのお悩みについては、お気軽に当事務所までご相談をしてくださいね。
それでは、司法書士の久我山左近でした。