こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆する司法書士の久我山左近です。
相続登記とは、亡くなった方(被相続人)から相続人へと不動産の名義を変更する手続きのことです。
しかし相続登記の申請には多くの書類が必要になります。
相続のケースごとで相続登記の必要書類が異なりますので、事前にしっかりと確認してから各必要書類を揃える必要があります。
今回の記事では、相続登記の必要書類について相続に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
今年から相続登記の義務化がスタートして、その手続きの対象となる方も大幅に増えますので、相続登記に関心のある方や具体的な手続き方法を知りたい方は、ぜひこの記事を最後までご覧ください。
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相続登記の必要書類一式を相続手続きのパターン別にご紹介いたします。
今年から相続登記の義務化がスタートいたしました。
今回の記事では、相続登記に関心のある方や具体的な手続きの必要書類について、相続に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
相続登記の必要書類一覧
相続登記の必要書類は、相続の状況によって少しずつ異なります。
相続の主なパターンは、以下の4つになります。
- 法定相続分の通りに相続するケース
- 遺言の通りに「法定相続人」が相続するケース
- 遺言の通りに「法定相続人以外」が相続するケース
- 遺産分割協議をして相続するケース
それぞれのパターンごとの、主な必要書類をまとめると、以下のようになります。
法定相続分 | 遺言法定相続人 | 遺言法定相続人以外 | 遺産分割協議 | |
登記申請書 | ● | ● | ● | ● |
被相続人の戸籍謄本等 | ● | ● | ● | ● |
被相続人の住民票除票等 | ● | ● | ● | ● |
相続人全員の戸籍謄本等 | ● | ● | ● | ● |
不動産の相続人の住民票 | ● | ● | ● | ● |
固定資産税納税通知書等 | ● | ● | ● | ● |
遺言書 | ● | ● | ||
遺言執行者の印鑑証明書(選任されていた場合) | ◯ | |||
遺言執行者選任審判謄本(家裁で選任の場合) | ◯ | |||
相続人全員の印鑑証明書 | ◯ | ● | ||
遺産分割協議書 | ● | |||
※相続関係説明図(戸籍謄本等一式の原本還付をする場合のみ) | ※ | ※ | ※ | ※ |
※委任状(司法書士に依頼する場合のみ) | ※ | ※ | ※ | ※ |
法定相続分の通りに相続するケース
法定相続分とは、民法によって定められた相続人の相続の割り合いのことを指します。
この割り合いに従って相続が行われる場合は、相続登記に必要な書類が最小限に抑えられます。
①登記申請書
法務局のホームページに、テンプレートや記載例がありますが、お時間のない方は司法書士に依頼してしまうのがベストな選択です。
②被相続人の戸籍謄本等
被相続人の本籍地の市区町村役場で取得します。
出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本および除籍謄本を取得しましょう。
③被相続人の住民票除票等
被相続人の本籍地の市区町村役場で取得します。
戸籍に記載された被相続人と、登記名義人が同一人であることを確認するために必要です。
住民票除票は、本籍地の記載があるものを取得してください。
④相続人全員の戸籍謄本等
各相続人の本籍地の市区町村役場で取得します。
法定相続人全員の、現在の戸籍謄本または抄本を取得してください。
法定相続人の中に死亡している人がいる場合には、その人の出生から死亡までの戸籍謄本、およびその法定相続人の戸籍謄本も必要となります。
⑤不動産の相続人の住民票
相続人が居住する市区町村役場で取得します。
⑥不動産の固定資産税納税通知書等
登録免許税を計算するために必要です。
固定資産税納税通知書以外でも、市区町村が発行する固定資産税評価証明書など、登記申請を行う年度の不動産の「固定資産税評価額」が分かるものをご用意ください。
遺言の通りに相続するケース
遺言の通りに相続するケースでは、「法定相続人が相続した場合」と「法定相続人以外が相続した場合」の2パターンがあります。
遺言の通りに「法定相続人」が相続するケース
遺言によって法定相続人が不動産を取得したケースでは、主な必要書類に加えて「遺言書」が必要です。
遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」がありますが、このうち自筆証書遺言(法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していないもの)や秘密証書遺言に関しては家庭裁判所の検認手続きが必要です。(検認手続きとは遺言書が本物であるということの検証手続きです)
一方、公正証書遺言の場合は、検認の必要はなく、謄本の提出だけで問題ありません。
遺言の通りに「法定相続人以外」が相続するケース
遺言によって相続人以外に財産を譲ることを「遺贈」と呼びます。
この場合は、主な必要書類に加えて「遺言執行者の印鑑証明書または選任審判謄本」が必要となる場合があります。
遺言の執行者(遺言を実現するための手続きを行う人)が遺言によって指定されている場合には、その執行者の「印鑑証明書」が必要です。
また、遺言の執行者が家庭裁判所で選ばれている場合は、同じく執行者の印鑑証明書に加えて、「遺言執行者選任審判謄本」も必要になります。
遺言の執行者が指定されていない場合には、相続人全員の印鑑証明書も必要になります。
遺産分割協議をして相続するケース
「遺産分割協議」とは、相続人全員が集まって遺産の分割方法を話し合うことを指します。
遺産分割協議が合意に達しない場合は、相続登記をすることができませんので相続人全員が納得する相続方法を確定するために十分な話し合いが必要になります。
遺産分割協議がまとまったら、「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名して実印を押します。
遺産分割協議によって相続する場合は、主な必要書類に加えて、この「遺産分割協議書」と「相続人全員の印鑑証明書」が必要になります。
相続登記の必要書類まとめ
この記事では、相続登記の必要書類について詳しく解説しました。
相続登記には、主な必要書類と、相続ケースごとに必要な書類があり、すべてを揃えるのには大変な労力が必要になります。
相続登記は複雑な手続きですが、正確な情報や司法書士などの専門家の助言を得ることで、スムーズに進めることが可能です。
相続手続きに関心のある方は、今回の記事を参考にして、必要な書類の確認や手続きの準備を進めてみてはいかがでしょうか。
ここまでで、今回のブログ「相続登記の申請に必要な書類一覧表を司法書士が詳しく解説します!」のテーマの解説は以上になります。
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相続登記義務化でのお悩みについては、お気軽に当事務所までご相談をしてくださいね。
それでは、司法書士の久我山左近でした。