個人事業主が自己破産する場合の注意点やリスクを詳しく解説します!

司法書士法人ホワイトリーガル

こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆している司法書士の久我山左近です。

カワウソ竹千代

事業が赤字続きで借金の返済が出来ないから、自己破産をしようと思っているんだ!
でも、自己破産したらまだ受け取っていない売掛金はどうなるのかな?

久我山左近

自己破産をした際の売掛金の扱いは、取り引きのタイミングによって扱いが異なるんじゃ!

カワウソ竹千代

じゃあ、売掛金の扱いについてや、個人事業主が自己破産する場合の注意点を教えて欲しいな!

久我山左近

了解じゃ!自己破産においての売掛金の取り扱いと個人事業主が自己破産する場合の注意点をわしが詳しく解説するぞ!

今回のブログでは、自己破産する場合の売掛金の取り扱いについて、また個人事業主が自己破産する場合の注意点ついても司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
今回の記事を読むと、個人事業主と自己破産の関係についての正しい知識が身に付きますので、ぜひ最後までお読みください!

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    目次

    自己破産における売掛金の扱いはどうなる?司法書士が詳しく解説します。

    司法書士法人ホワイトリーガル
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    自己破産における売掛金の取り扱いは、売掛金の発生時期と回収時期によって異なります。

    売掛金の発生及び回収が自己破産の手続き開始前のケース

    自己破産の手続き開始前に売掛金の回収が済んでいる場合には、売掛金は現金や銀行口座の預金と同様に扱われます。
    ですから、すでに回収が済んでいる売掛金に関しては、口座残高20万円を超える部分は破産管財人によって処分されます。なお、現金に関しては99万円まではお手元に残すことが可能です。
    破産管財人は申立人から直接回収を行うため、すでに売掛金を受け取っている場合には、自己破産によって取引先に連絡がいくといった心配はありません。

    売掛金の発生が手続き開始前で、売掛金の回収が手続き開始後のケース

    自己破産の手続きを開始した段階で、すでに取り引きは済んでいるが、売掛金は受け取ってはいないというケースでは、取引先から売掛金を回収されてしまいます。
    なお、実際の売掛金の回収はご自身で行う必要はなく、裁判所から選任された破産管財人が行ってくれます。

    具体的な流れは、破産管財人から取引先に自己破産の通知が届き、申立人の財産にあたる売掛金を所定の口座に振り込むように指定されることになります。

    売掛金の発生及び回収が自己破産手続き開始後のケース

    自己破産手続き開始後に売掛金が発生したというケースでは、自己破産の手続きとは関係ない財産とみなされるため、処分の対象にはなりません。

    個人事業主が自己破産で受ける影響やリスクを詳しく解説します。

    個人事業主が自己破産によって受ける影響には、以下のようなものがあります。

    1. 事業の設備や在庫が処分される可能性があります。
    2. 20万円を超える売掛金は処分されます。
    3. 新たな借り入れが一定期間できなくなります。
    4. リース契約などは解約になります。
    5. 事業自体が処分される可能性があります。
    6. 取引先との関係が悪化する恐れがあります。
    7. 自己破産後も従業員の給与は支払う必要があります。

    ⒈ 事業の設備や在庫が処分される可能性があります。

    事業で使用していた設備のなかには、大型の機械など高価でお金に換えられるものもあるでしょうし、また商品在庫などはそのまま売却すれば返済に充てられる可能性もあります。

    また、自営業者の場合は複数の取引先から収入を得ているケースが多いため、給与収入のみを得ている一般的なサラリーマンと比較するとお金の流れが複雑になります。そのため、一般的なサラリーマンの多くが簡単な手続きである「同時廃止事件」になるのに対して、個人事業主の場合は「管財事件」といって複雑で裁判所に収める金額も高い手続きを選択することになります。

    ⒉ 20万円を超える売掛金は没収されます。

    自己破産の手続きでは、ご自身が所有する20万円を超える財産は、基本的にすべて没収されてしまいます。
    また、前述した通りで、回収済の売掛金は、売掛金かどうかに関わらず、口座にある預貯金を含めて20万円を超える部分については処分の対象になります。
    ただし、個人事業主の方の中には、取引先の会社との業務委託契約によって収入を得ている方もいて、その場合の売掛金は、実質的には賃金と同じだとみなされるケースがあります。
    なお、この場合の売掛金は、全額ではなく4分の1のみが処分の対象となります。

    ⒋ 新たな借り入れが一定期間できなくなります。

    自己破産をしたという記録は、個人の信用情報を管理している信用情報機関に自己情報として記録されます。
    銀行や消費者金融、クレジット会社などは、信用情報機関の情報を元にローンやクレジットの審査を行うため、自己破産をしたあと一定の期間は新たな借り入れが難しくなります。
    一般的に、自己破産の手続きが決定したあと、5年から7年間は自己破産をしたという履歴が信用情報機関に残ってしまいます。

    ⒋ リース契約などは解約になります。

    自己破産をする際には、一部の財産を処分されるだけでなく、いろいろな契約関係も清算されることになります。
    例を挙げますと、コピー機やパソコンなどがリースの場合だと、自己破産における債権者になりますので、基本的に各機材はリース会社に引き上げられることになります。

    ⒌ 事業自体が処分される可能性があります。

    個人事業では少ないケースになりますが、自己破産をした段階で、事業自体に価値があるとみなされた場合には、事業そのものが処分の対象となります。
    また、事業を売却することで利益を得られるのであれば、その分のお金を債権者に分配する必要があります。

    ⒍ 取引先との関係が悪化する恐れがあります。

    最近よく聞くフリーランスといった在庫や設備を使用しない業種などでは、自己破産をしてもそのまま事業が継続できるケースが多くあります。
    とはいえ、自己破産をすると、これまで取り引きをしていた相手との関係に影響があることを覚えておく必要があります。
    自己破産をした時点で未回収の売掛金があった場合には、破産管財人から取引先に連絡がいくため、自己破産をしたことがバレて、信用を失うことに繋がりますし、自己破産をした時点で未払いの買掛金があった場合では、その買掛金の支払いも免除されるため、取引先に損失を与える結果になります。

    ⒎ 自己破産後も従業員の給与は支払う必要があります。

    自己破産をすると、ほぼすべての借金の返済義務が免除されますが、従業員への給料の支払いは免除されないので気をつけましょう。
    従業員への賃金は、労働債権と呼ばれ、他の債権よりも優先されるため、自己破産の手続き開始後に、破産管財人が換価処分した財産から、他の債権者よりも優先して支払いがされます。

    それでは、今回のブログ「個人事業主が自己破産する場合の注意点やリスクを詳しく解説します!」というテーマについての解説は以上となります。

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    カワウソ竹千代

    借金の返済で困ったときは、お気軽に当事務所まで借金減額のご相談をしてくださいね。

    久我山左近

    それでは、司法書士の久我山左近でした。

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