こんにちは、司法書士法人ホワイトリーガルのブログを執筆者している司法書士の久我山左近です。
奨学金の返済が苦しくて仕方ないんだけど、何かいい方法がないかな?
そうじゃなぁ!奨学金は個人再生や自己破産などの債務整理で減額や免除が可能なんじゃ!
そうなんだ、じゃあボクも奨学金の負担から解放されるかな?
ただし、奨学金特有の問題点があるので、今回の記事で解説するぞ!
今回の記事では、奨学金の返済で苦しんでいる方に向けて、奨学金の借金を減らす方法について、また債務整理する場合の注意点についても司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
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奨学金の借金は任意整理での解決は出来ません!詳しく解説!
まず、債務整理には3つの方法があって、任意整理、個人再生、自己破産があります。
その中でも1番多くの場合の解決で利用されているのが、任意整理という手続きです。
また、任意整理の手続きは、相手の業者と交渉をして、今後の利息をカットして、月々の返済の負担を減らして解決を目指す手続きになります。
ですから、消費者金融やクレジットカードのリボ払いのように、利息が高い借金の解決にはとても有効な解決方法になります。
奨学金を任意整理するのが難しい理由を解説します。
まず、奨学金を貸した業者が交渉に任意整理に応じない可能性があります。
また、奨学金自体が低金利なので利息自体が少なく、任意整理の手続きを取っても月々の返済額の減額は期待できないというのが理由になります。
個人再生または自己破産で奨学金を減額または免除ができます。
任意整理での解決が難しい奨学金での借金ですが、個人再生や自己破産であれば、奨学金を減額または免除することができます。
個人再生 | 裁判所を通して奨学金を含む借金を約5分の1まで減額できる手続き |
自己破産 | 裁判所を通して奨学金を含む借金の返済を免除する手続き |
個人再生での解決の場合
個人再生の場合は、任意整理と違って元金自体を大幅に減額できる手続きなので、奨学金のように利息が低い債務に対しても有効で、大きな減額効果があります。
また、個人再生は自己破産と違って持っている財産を処分しなくてもいいので、ある程度の財産がある方は個人再生を選択するメリットがあります。
ただ、個人再生はすべての債務が対象になりますので、もし自動車ローンがある場合は自動車はローン会社に引き揚げられます。
ここからは、奨学金を個人再生の手続きで減額する場合のデメリットですが、奨学金には保証人が付いているケースが多いので、個人再生をすると、保証人に対して請求が行くことになります。
保証人に請求が行くことがダメだという方は、個人再生での解決が難しくなります。
なお、この場合は保証人の方にご自身の事情をお話ししてから、個人再生の手続きを進めて行くことになります。
自己破産での解決の場合
自己破産の場合は、裁判所の許可のもと借金の返済義務自体をなくせる手続きなので、奨学金に関しても返済義務がなくなります。
自己破産の1番のデメリットは、ご自身が所有する財産を処分しなければいけないことで、手放したくない財産をお持ちの方は自己破産以外での解決を検討する必要があります。
自己破産もすべての債務が対象になりますので、もし自動車ローンがある場合は自動車はローン会社に引き揚げられます。
ここからは、奨学金を自己破産の手続きで解決する場合のデメリットですが、奨学金には保証人が付いているケースが多いので、自己破産をすると、保証人に対して請求が行くことになります。
保証人に請求が行くことがダメだという方は、自己破産での解決が難しくなります。
この場合は、保証人の方にご自身の事情をお話ししてから、自己破産の手続きを進めて行くことになります。
奨学金を借りるケースでは、親や親戚が保証人になっている場合が多く、その保証人に請求が行くことがイヤで、個人再生や自己破産をためらっている方はとても多くいらっしゃいます。
ただし、この保証についても人的な保証ではなく、保証会社が保証しているような機関保証であれば、個人再生や自己破産の手続きも可能になります。
奨学金が払えない場合にお勧めの制度を紹介します。
とりあえず、奨学金の返済に困ったら、まず奨学金の減額または猶予制度などを利用するようにしましょう。
ここでは、日本学生支援機構の減額または猶予制度を紹介いたします。
奨学金の減額返還は、月の返済額を2分の1または3分の1まで減らせる制度になります。
減額返還制度の利用条件
- 災害、傷病、その他経済的な理由により奨学金の返済が困難な場合
- 申請および審査の段階で延滞をしていないこと
- 年間所得が325万円以下(給与所得者以外は225万円以下)
この制度には、所得制限があることと、月の支払いの負担は減らせますが、奨学金自体は減らない点がポイントになります。また、返済期間が長くなるのもデメリットになります。
毎月の負担が苦しい場合は、一時的にこの制度を利用して、生活が立て直せたら元に戻すというのも1つの選択肢になります。
次に紹介するのが、返還期限猶予制度で、一定期間月の返済を猶予できる制度になります。
また、この返済を猶予している期間は、延滞金も加算されないというメリットがあります。
返済期限猶予制度の利用条件
- 災害、傷病、その他経済的な理由により奨学金の返済が困難な場合
- 年間所得が300万円以下(給与所得者以外は200万円以下)
減額返還制度同様に、所得制限と奨学金自体が減額できるわけではない点には注意が必要になります。
こちらも、一定期間支払いをしないということは、完済までの期間は延びることになります。
親が債務整理をすると子供の奨学金が借りられない?
奨学金の返済が出来なくて、個人再生や自己破産をした場合には、信用情報機関に事故情報が登録されます。
しばらくは、クレジットカードの新規契約やローンなどの借り入れの審査に通らない可能性が高くなります。
また、基本的に子供の奨学金の保証人の審査に通ることも難しくなります。
ただし、奨学金には、連帯保証人が必要な人的保証と、保証会社が保証してくれる機関保証があります。
この機関保証の場合は、保証料を保証会社に支払うことになるけど、連帯保証人がいなくても奨学金が借りられます。
期間保証だと、毎月保証料を支払う必要がありますが、現在では機関保証の割り合いは半数を超えていますので、意外に多くの方に利用されています。
奨学金の借金解決のまとめ
- 奨学金は基本的に任意整理では解決出来ません。
- 奨学金以外に借り入れがある場合は、それだけを任意整理することは可能です。
- 奨学金を減額や免除するなら個人再生か自己破産がお勧めな解決方法です。
- 奨学金を債務整理すると連帯保証人に請求が行くことが大きなデメリットです。
- 奨学金が払えない場合は日本学生支援機構の減額制度などを利用するのがお勧めです。
- 親が債務整理すると、子供の奨学金の連帯保証人にはなれませんが、その場合は機関保証を利用すれば奨学金は借りられます。
ここまでで、今回のブログ「奨学金の返済が出来ない!奨学金の借金を減らす方法や問題点を解説!」のテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。